朝ドラ「べっぴんさん」野上潔はどんな人物?演じる高良健吾の思いも
2016年後期のNHK朝の連続テレビ小説『べっぴんさん』
主人公・坂東すみれの幼なじみであり、すみれの姉・ゆりの夫となる野上潔(きよし)を演じているのは、高良健吾さんです!
潔は、すみれの父・坂東五十八が創業した繊維会社「坂東営業部」の取締役・野上正蔵(名倉潤)のひとり息子でもあり、実際、同会社でも働きます。
戦後は、「坂東営業部」の再建に力を注ぐという、坂東家と深くかかわりを持つ人物ですね。
今回は、野上潔がどんな人物なのか、モデルとなった尾上清氏についてや潔役の高良健吾さんがどんな思いで演じているのかをお伝えしていきたいと思います!
野上潔のモデルは尾上清!
坂野惇子さんの実父・佐々木八十八氏の会社「佐々木営業部」を支えた尾上設蔵の一人息子・尾上清が野上潔のモデルとなっています。
佐々木八十八氏の詳しい記事はコチラ!
父・設蔵は八十八氏が信頼をおいていた人物で、「佐々木営業部」の番頭でもあり実質は社長の役割を果たしていました。
清は、大阪の高級住宅地・帝塚山に長男として生まれ、中学までを地元で過ごし、東京の慶應義塾高等部に進学。
大らかな父の下、自由奔放に育ったせいか遊びにも夢中だった清は慶應義塾高等部を留年、大学受験にも失敗します。
ですが、高等部在学中にして彼は喫茶店に注目し、開店させます。
清がこれを成し遂げたのが、喫茶店が東京で流行する三年前だったことから、彼には先見の目と商才があることがわかります。
結局、慶應義塾高等部を中退することになった清は、父が支配人を務めていた「佐々木営業部」に丁稚奉公する形で入社します。
商人としての才能はすぐに開花し、父・設蔵と同等以上の成果を上げ、入社三年目にして常務に昇進するのでした。
その後、日中戦争が始まり、清は召集されて中国の天津に駐留することになります。
その2年後には復員し、伊勢丹の2代目社長の娘・小菅喜子と結婚しますが、同年に父・設蔵が54歳という若さで死去。
その翌年には再び召集されて熊本へ行きますが、同年に除隊されて「佐々木営業部」に復帰します。
「佐々木営業部」は、「佐々木実業」に社名変更して会社は存続してはいるものの、社員が次々に招集され実質は休止状態。
そんな中、国の企業整理が行われ、「佐々木実業」は江商に吸収合併されてしまいます。
清の実力を認めていた八十八氏は、清に「佐々木営業部」の再建を託します。
この時、江商の部長を務めていた清は、一部門となっていた「佐々木営業部」を何とか売却することに成功します。
そして三度目の招集、終戦を迎え、「佐々木営業部」の再設立が本格的に始動していくことに。
清は商才を活かして、社長としてすさまじい発展を遂げていきます。
昭和30年に商号を「レナウン商事」に変更し、レナウングループとして事業を拡大化させました。
レナウンは1000億円企業の仲間入りを果たし、清自身は大成功を収め、その後もレナウングループは巨大化していくこことなりました。
昭和63年、清が76歳のときに肺炎で死去しています。
野上潔はどんな人物?
劇中に登場する野上潔について見ていきましょう!
潔は、「坂東営業部」の取締役で番頭の野上正蔵の一人息子ですみれの幼なじみです。
ですが、本当は子供に恵まれなかった野上夫妻の養子でした。
自由奔放な潔は、幼いころから豪快ですみれの兄貴的存在でした。
潔は、人の心の痛みが理解できる優しさも持ち合わせ、人のために自分が犠牲になることをいとわない性格で、周りの人を惹きつけるタイプ。
そんな潔に、すみれは密かに恋心を抱きますが、姉のゆりもまたそんな彼に惹かれていました。
ゆりには別の男性との縁談が持ち上がりますが、ゆりは「自分が愛する人と結婚したい」という意思を貫き、潔と結婚します。
モデルとなった尾上清は、ゆりのモデルとなっている佐々木智恵子さんとは実際には結婚していないんですよね。
ここはオリジナル設定となるようです。
野上ゆりの詳しい記事はコチラ!
潔は「坂東営業部」で持ち前の商才を活かし実力を発揮していきますが、戦争が始まり招集命令が。
空襲で「坂東営業部」の社屋はすべて焼けてしまいます。
復員できた潔が考えたことはただ一つ。
それは「坂東営業部」を再建させることでした。
「坂東家あっての野上家」という父・正蔵の思いを受け継ぎ、それが五十八に対する恩返しでもあると潔は考えます。
ゆりの最愛の夫ではありますが、すみれの生涯を支え続ける人物でもあるようです。
野上潔演じる高良健吾の思いとは
こうしてみると、野上潔は今作でもかなり重要な役といえそうですね。
潔役に抜擢されたのは、2011年に放送された朝ドラ「おひさま」にも出演していた高良健吾さんです。
この年、東日本大震災があった都市で、高良さんご自身にとってもとても印象深い作品だったようです。
そして、今年は奇しくも高良さんの地元、熊本での震災。
今作を通じて、熊本に元気を与えたいー。そんな思いでの出演なのだとか。
そんな人情深い高良さんは、戦後の苦しい時代に日本のために必死にこの時代を生き抜いた大先輩たちへの尊敬と感謝の気持ちを込めて、この役を演じているそうです。
潔は目の前の問題に目を背けずに立ち上がり、「坂東営業部」を再建させようと、会社と八十八氏に「恩」を返そうという強い使命感で行動します。
高良さんはこのドラマの魅力を「真心」だとおっしゃっています。
誰かのために頑張ることが前に進む力になって、さらにそれがまた人へと伝わっていくことに感動するそうです。
どう生きて、どう商売していくのか、必死で考えてそれを行動に移すうえで大切なことが、すみれが持つ「真心」なのだということを教えてくれるドラマだと高良さんはコメントされています。
高良さんの真っ直ぐな思いが潔を通して感じられそうですね。^^
高良健吾さんの野上潔に注目していきましょう!
最後までお読み頂きありがとうございました。