美しい星[映画]あらすじやキャストまとめ!原作にない設定が?

「小説家」、「市ヶ谷」、「クーデター」、「割腹自殺」・・・これらの言葉を聞いて誰を連想しますか?

小説が大好きな人なら一目瞭然。

三島由紀夫”ですね。

三島由紀夫の代表作には『仮面の告白』、『金閣寺』、『憂国』など多数ありますが、彼の作品を読む読者の感想は概ね2つに割れます。

それは「楽しい」か「苦しい」。

それは彼の語彙力があまりにも優れており美しい日本語を使い、多彩な表現を用いる・・・それが故に時には人に作品の中の風景を鮮明にイメージさせ感動を呼び、人の苦しみや悲しみを心に突き刺す。

若くしてその命を自ら断つ結果となりましたが、彼は小説家・劇作家・随筆家・評論家・政治活動家・皇国主義者でありながら、海外でも高い評価を得ていた戦後日本の代表作家の1人でもありました。

そんな彼が1962年、「宇宙人」や「UFO」などの題材を中心に据え、純文学が中心だった他の三島作品とは異質なものとして創り上げたSF的長編作品こそが今回映画化される

「美しい星」です。

ここではそんな「美しい星」のあらすじや豪華キャスト、原作にない設定とは?などをお伝えしていきたいと思います!

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美しい星 どんなあらすじ?

この作品の中心となるのは、埼玉県飯能市の旧家・大杉家の家族4人です。

日本に住むこの家族は、見た目はまさに小市民。

しかし彼らは何と、
地球とは別の天体から飛来した宇宙人である」という意識に目覚めた「宇宙人一家」です。

父:重一郎(情熱と使命に燃える火星人)
母:伊余子(木星人)
息子:一雄(知性を司る水星人)
娘:暁子(美を司る金星人)

彼らの目的は核戦争による絶滅の脅威から、地球人類を救うこと。

一方で仙台の大学の羽黒助教授、その教え子の銀行員、大学の近くの床屋の3人組が登場します。

彼らも宇宙人。

しかし大杉家とは目的が逆でした。

彼らの使命は
汚れた人類を滅亡させ、この地球を浄化すること。

この2つのグループは論戦を繰り広げます。

しかもこの論戦があまりにも長く熱く・・・そして小市民という姿から想像するにはあまりにも崇高な論戦。

彼らの論戦のテーマは「核兵器廃絶」であり「人類の滅亡」でした。

彼らはそれぞれ彼らの理想をぶつけ合います(本作の中で最も見どころのあるシーンかもしれません)。

この論争を通して作者の格調高い文章力が読者を作者の世界に引き込んでいきます。

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美しい星 キャストは原作にない設定?

異色の“ミシマ作品”を映画化したのが、2012年の映画『桐島、部活やめるってよ』で第36回日本アカデミー賞最優秀監督賞および最優秀作品賞を受賞した吉田大八監督。

吉田監督は、学生時代に同作品の小説を読んで「映画化したい」とずっと願っていたそうです。

今回は遂に吉田監督の野望が実現した作品となります。

メインキャストである大杉家4人の設定は、現代風にアレンジ。

主演 

重一郎:リリー・フランキー

宇宙人一家の中でも「情熱と使命に燃える火星人」の父、重一郎を演じます。
最近様々な作品に引っ張りダコの実力派俳優がどれだけのエネルギーを作品の中で見せるのかが楽しみですね。

「当たらない」と有名なお天気キャスターです(笑)

共演
 

一雄:亀梨和也

ジャニーズ事務所に所属タレントの中でも、とりわけ品性を感じさせる綺麗な顔立ちの「KAT-TUN」亀梨和也さんが、宇宙人一家の中でも「知性を司る水星人」の息子、一雄を演じます。

彼がもし「実は水星人です」と現実で言ったとしてもあまり違和感がないかもしれませんね。(笑)

ドラマ『怪盗山猫』での演技が最高に面白かった亀梨さんですが、今作では暗い野心をたぎらせるフリーター。(笑)

今度は本作でどのような演技を見せてくれるのでしょうか?

暁子:橋本愛

前述の吉田作品『桐島~』でもヒロイン「東原かすみ」役を演じ、NHKの連続ドラマで大ヒット作の「あまちゃん」で老若男女に一気に名前も広がるなど、勢いに乗っている美少女が、宇宙人一家の中でも「美を司る金星人」の娘:暁子を演じます。

暁子は、自分の美しさが最大のコンプレックス!?という女子大生です。

伊余子:中島朋子

知る人ぞ知るテレビドラマ「北の国から」で“黒板蛍”の役を演じ、劇団ひまわりにも所属していた実力派女優が宇宙人一家の中でも「木星人」の妻:伊余子を演じます。

他の3人が覚醒していく中、彼女だけが覚醒せず、暇と退屈しのぎに”水”ビジネスにハマっていく主婦という役。

彼女の役割とは一体何なのでしょうか?

その他のキャストはまだ公式発表されていませんが、この4人だけでもかなり面白そうですね!

キャストが発表されましたら追記していきます。

まとめ

本作は昭和30年代の「冷戦」を、宇宙人が地球外生命体の立場から真剣に議論をするという作品です。

もし「言葉・表現のプロ」の作者が世界に向けて直接発言すれば、それは伝わったかもしれませんが、作家という立場での発言には重みはなかったでしょう。

だからこそ、その違和感を真面目一辺倒に表現するのではなく、文学作品を通し、世界に向けて痛烈に批判した作品でもあるのではないでしょうか?

本作の論戦は世界的に有名な作家ドストエフスキーの代表作「カラマーゾフの兄弟」の「大審問官(※)の議論を彷彿とさせる場面だ。」とよく寸評されます。

(※)無神論者の次兄・イワンが、おのれの思想を熱く長弁するシーン

また、この作品は当時の現代批判だけでなく、パロディ的な要素も含んでいると言われています。

「宇宙人一家の議論」と紹介していますが、本文の中にオチがあるのでもう一度読み直してみてくださいね。

「熱く長い議論」が中心となる映画「美しい星」。

そしてそれを見事に演じ切るキャスト陣。

見逃さない手はないですね!

「美しい星」は2017年5月の上映を予定されています。

それでは今回はこの辺で!

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